よみがえる

今日はライブ。

久しぶりにわたしのなかの小さな子供が

ザワザワしている。

ずっと忘れていたのにうっかり思い出してしまったのだ。

私のなかの小さな子供は

うまくいかないことばかりで萎縮している。

5歳くらいの時、ピアノの先生を変わることになり、新しいピアノの先生のところに初めて連れていかれた時のこと。

ピアノの前に座り、これまでやってきたことを何か弾いてごらん、と言われ、1時間くらい固まってしまった。

子供らしく無邪気に、それまでやってたキラキラ星かなんかを、自慢気に弾くべき場面だったのだ。

だんだん、先生が怒ってきているのがわかる。

でも体が動かない。一緒に来ているはずの母は気配を消している笑。

幼稚園児なんだから、できないようと泣いちゃえば良かったけど、そんなんも思いつかない。

困った顔すら出来ない。

無表情でじっと固まっていた。

当時はそんな子供にも社会は寛容だったが今なら、なにか精神疾患の病名がついちゃうんだろうな、と思うほどの頑なさで、

小さな子供の私は自分を人に見せられなかった。

今日はライブ。

これまでやってきたことを弾いてごらん、と言われる日。先生が怒っている。周囲は気配を消している。さあどうする？

あれから半世紀、

私はずっと、それを克服しようと頑張ってきたんだから今日も大丈夫さ。